あやまほし

観劇・体験レポとエッセイ

臆病風は予告なく吹く

 


2022年11月8日に起きた皆既月食天王星食。こんなふうに、日本で皆既食中に惑星食が見られるのは442年ぶりで、次は322年後なんだってさ!これを見られる場所に時代に生きている事が嬉しくなる。でもそもそもそうだよね。生きている間に会えてよかった、生きている間にこんなことできてよかったって。それなら、今生きているこの毎日毎分毎秒が、生きている間しか出会えない奇跡の天体ショーだね。そう考えたら毎日ラッキー!だな!!!!
「月が綺麗ですね」という言葉が"I LOVE YOU"の日本語訳だと言われるけど、そもそもなんでこの言葉がI LOVE YOUの意味を持つかって、一緒にいる隣の人へ言ったんじゃなくて、今はそばにいなくて会えない愛しい人を想った言葉だと思うのね。今は会えないけれど、「どんなに離れていても君と僕は同じ月を見ている」「いつでもあなたを想っています」という気持ちを「月が綺麗ですね」という言葉に集約させているのがとてつもなく美しい。ずっと、「月が綺麗ですね」がなんでI LOVE YOUになるのか分からなかった。漱石先生教えてプリーズ状態だったわけよ(実際に夏目漱石が言ったかどうかもあやしいらしいので諸説あるがひとまず)。けど、ある夜1人で自転車乗ってたら、月が大きくて明るくてとっても綺麗で、「月見てみて!綺麗だよ!」ってあの子にLINEしよって思いついて、あっ...!って分かったんだよね。名言の意味を、実体験から自分なりに理解できる瞬間めちゃくちゃ好き。"気付けた自分"を認識して、なんて素敵な経験をできる自分に育つ事ができたのだろうって自己肯定感爆上がる。自分で幸せを掴み取る事ができる人に自分がなれたという事実に、豊かな気持ちになる。"さよならだけが人生だ"の意味が自分なりに理解できた瞬間とかもね。そして、この"月が綺麗ですね"構文は、月に限らず"I LOVE YOU"することができる。良い音楽を聴いたら伝えたくなるし、お土産を買って行きたくなるあの温かい閃きも。素敵なものに触れてふとあの人を思い出したら、ところ構わずみんな同時多発的にどんどん"I LOVE YOU"していこう!!だって、LOVEには色んな種類があるから。そして、それらのどのLOVEも全部素晴らしいのだから。ああなんてすてき!322年なんて待ってらんないから今すぐ伝えていこう。いつでも。これからも!

思ってたより優しい言葉が返ってきて泣きそうになっちゃった。でも、「応援してる」って言葉、優しくて嬉しい言葉だなとは思うけど、意外と気持ちこもってる時に使う言葉じゃなかったりすることない?私はねってだけだけど、あんまり人に「応援してる」って言葉使わないかも、、。だからいっそ、何言ってんのって怒って突き放してくれる方がよっぽど私に思いを向けてくれてたのかなって、好意的にとるかも。私はね。
「どうでもよい」って思ってるなら当たり障りないようにしといて、どっちに転んでくれてもよいようにしとけばいいもんな。でも、新しい音楽を知って、今どうしてるかなって君をふと思い出したその純粋な思いをとばした気持ちは本物なの。だからたまにする連絡は意地悪なんかじゃないよ。あんなに食わず嫌いしてたシンデレラボーイめちゃくちゃ聴いてるわ。ちょうど歌ってて気持ち良いキーだな。男の子の実体験に基づいた女の子の気持ちを男の子が作って歌った歌を女の子が歌うと、何重にも入れ子構造になっておもしろい。カバーとか歌ってみた出してる人たちってそこまで考えて歌ったりしてんのかなあ。まあ多分そこがただのカラオケとの違いだと思いますですよ。
さすがに時と共に成長はしてるつもりだし戻ることはないけど、たまには下見てドス黒いことしたっていいじゃんね。墨汁をたっぷり含ませた筆をミネラルウォーターで洗っちゃうみたいな。綺麗で透明な水の中にできるあの黒い曲線。たまには月を見上げてみてよねっ。